まるでシャボン日記

アラフィフぼっち女の悲喜こもごも

FIREについて考えてみた

「FIRE」。最近よく見るワードだ。

Finacial Independece, Retire Early 

「経済的自立を果たして早期にリタイアする」という生き方のことで、同名の著書がベストセラーになっている。

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FIRE 最強の早期リタイア術

簡単にいえば、給料と投資でお金を増やし、十分な種銭を稼いだら会社を辞めて、その運用益だけで暮らすこと。そうすれば、自由な人生が手に入る、というメソッドだ。

今、若者に広がりつつある考え方のようで、Twitterなどを見ると、FIRE目指す人が急増している。

不労所得で暮らそうだなんて、なんという贅沢! 

なんてアラフィフは思ってしまうけど、実は、彼らのポイントは、ミニマルに暮らす、ということらしく、この本の内容も、特別な富裕層向けではなく、フツーのサラリーマン向けとなっている。

なんせ1億円持っても、年間その4パーセントで暮らせというのだ(理論上それなら資産が減らないらしい)。1億の4パーセントだと400万円。年間400万円で暮らすって、わりと質素。年収600万(税込み)くらいのサラリーマン生活と同基準というところか。

なので、彼らは車も持たないし、立派な家も買わない、年の半分は物価の安い国へ旅行するなどして節約するという。

そんなミリオネア像って、なんて斬新!

1億も持ってたら、当然、贅沢三昧するだろうと思っていた私には、目からウロコだった。

どちらかというと、ヒッピーぽい(それも古い?笑)考え方というか、日本でいうところの、清貧思想にも近いように思った。

 

ポイントは、自立と自由。

 

FIREの第一人者と言われるのが、クリスティー・シェンさんという中国系アメリカ人の女性で、『FIRE』の著者。

子供の頃は中国の農村で、食うや食わずの生活をしていたという。その後、アメリカへ移住し、大学を出て会社員をするのだけど、仕事に疲弊してしまい、なんとか辞めたいと思いはじめる。でも、その育ちのせいもあって、お金がないのは不安で仕方がなかったそう。

そんな彼女の思いと夫の協力があって、とにかく不安のないほどのお金を貯めようと決意する。投資をはじめるのだけれど、博打のようなことは絶対にやらず、これでもか!という慎重なポートフォリオを作り、無駄な支出を抑えることにより、みごとに30代でミリオネアになった。

念願の早期退職を果たし、現在は著作活動や旅行など、好きなことだけをやる自由を手にしている。

ポイントは、投資の成功というよりも、何よりも、ミニマルな生き方

1億円つくるということよりも、生活をミニマルにすることが自由を手にする道、というのが面白かった。つまり、支出をコントロールせよ、と。

確かに、いい家を建てるとか、いいもの食べるとか、いい服着るとか、贅沢をしようとするから経済的に自由になれないのだ。それだと次から次へやってくる欲望で人生が自転車操業的になるからだ。

そんなに贅沢しなくていいです、シンプルに暮らしたいだけなんです、となった瞬間に、実は経済的自立をほぼ達成しているんじゃないかとすら思った。

 

われらアラフィフ世代は、人口も多くて競争も激しく、バブルも経験してるから、24時間働いて、ブランド品買って、パリやハワイでお土産買いまくって~~!みたいな世代。

それを豊かさだと思っていたし、ある意味、そこに成功という夢もあった。

けれど、今の若者の夢は、会社に属さず、お仕着せの豊かさを拒否し、自分の好きなことだけをして、静かに暮らすことなのだ。

ある意味、成熟した社会における「進化」ととらえるべきなのかもしれない。

 

気がついたら、すれっからしのアラフィフも、確かにもうブランドモノなんか欲しくないし、家族もできなかったから、マイホームも車も保険もいらない。

会社での出世も、思ったほどの成功でもなく、幸福感が高いわけでもない。

FIREしたい若者の気持ちもわかる。

というわけで、50歳からのFIRE、挑戦の余地は、ありやなしや。(←その前にフツーに定年!)