まるでシャボン日記

アラフィフぼっち女の悲喜こもごも

アラフィフ、同級生の豪邸に思う

友人が鎌倉に家を建てたという。

送られてきた写真には、海の見える豪邸が写っていた。

わお、本当に美しい家で素敵だった。

私のセカンドハウスは築30年の木造アパートだというのに、なんだろうこの格差は!笑

 

彼女は、私たち10人くらいの大学時代の仲間の中でも、20代の早くに結婚した。

夫は同級生のエリートサラリーマンで、若い時は海外赴任や転勤も多かったけれど、彼女は文句も言わずについていき、それなりにその土地を楽しみながら、子育てと主婦業をこなしていたようだった。

 

私たち仲間は、誕生日だなんだかんだと2ヶ月に一度くらいの頻度で会っていたのだけれど、結婚してからは、彼女はほとんど集まりには参加しなかった。

できなかったという方が正しいかもしれない。

夫はいわゆる亭主関白な方だったと思う。子どもが手を離れるまでは仕事をしなかったし、夜出かけることもほとんどしなかった。

夫の希望でもあったと思うが、彼女自身もそうするのが自然だと思っていたのだと思う。

子どもたちが成人してから、彼女は事務のパートに出るようになった。その頃から、夜の集まりにも時々顔を出すようになった。

子どもたち2人はすでに家を出て、しばらく単身赴任だった夫も本社勤務になった。

そして、鎌倉の一等地に、海の見える家を買ったのだった。

 

友人たちは一様に、彼女を「一番順調な人」と言ったし、「勝ち組」と言った。

確かに、そうなんだろうと思う。

 

私は、それで、自分にはそういう「勝ち組」人生はあり得なかったのだろうかと考えてみる。

一体、どこでどうすれば、彼女のような人生が歩めたのだろうか?

若い時に、エリート男性と結婚しておけば、あんな人生が送れたのだろうか?

羨ましくない、と言ったら嘘になりそうだ。

 

ところで、羨ましいのは何故なんだろう?

とよくよく考えたところ、羨ましいのは、鎌倉の豪邸だな、と思い当たる。

自分が彼女と同じ人生を歩むことは多分、どこでどんな分岐点があったとしても、できなかっただろう。

それは、彼女の夢であり、生き方であり、私のそれではないからだ。

でも、ついの棲家にあんな素晴らしい家を手に入れられたことは心から羨ましい。

「アリとキリギリス」で言ったら、彼女がアリで、キリギリスが私だったのだろう。

(けど、まあ、私は仕事しまくったから、キリギリスとも言えない、、、すんごい仕事したのに何も残らなかったキリギリスって??最悪すぎる笑)

 

それにしても、アラフィフになってみると、いろんな人生があるな、と思う。

大学時代は、なんとなく、みんないつかは結婚して主婦になるのかな?と思っていた世代だけれど、蓋を開けてみたら、本当に絵に描いた「主婦」をやったのは、その彼女くらいかもしれない。

私も含めて離婚経験者もいるし、実は半分くらいは独身だったりする。

いわゆる「順調」な人は、30パーセント(私調べ)くらいなのかな、と言う感じ。

まだまだ子どもが小さい人もいて、これからだってどうなるかわからない。

今になって、いきなり結婚や再婚、離婚をする人だっているかもしれない。

 

それにしても、若い頃は、それでもやっぱり人の境遇が羨ましくて、「私にはどうしてエリートの彼氏がいないの!」とか「なんであの子が幸せそうなの?」とか・・・笑

まあ、やさぐれたりしたし、女子会の話題も、誰が一番幸せか(女として)みたいな話が多かったようにも思う。

 

けど、もう全部一通り見てくると、何か幸せかはわからないし、自分の人生にも納得感が出てくるから、人のことがどうでもよくなる。

むしろ、介護の悩みや、中年の孤独感など、お互いを慰め合いながら、励ましあうことが多くなった。

大人女子の互助会は最高。おばさんブラボーだ。

 

鎌倉の彼女の家には、やっぱり夫の許可がなかなか出なくて、まだ遊びには行けていない。

私のセカンドハウスはボロいけど気兼ねはないから、いつでもみんなに遊びに来てもらいたい。

だから、やっぱり人にはいろんな役割があるんだと思うのだ。

 

「女は、自分のできなかったことをやった女が嫌いなのよ」

というのは、井上由美子先生のドラマ「昼顔」のセリフ。

何かを犠牲にするしかないのが、女の人生なのか。

専業主婦かキャリアウーマンか。

そんな2択しかないのは、理不尽だとは思う。

 

けど、そんな人生の結果(?)を持ち寄りながら、友情がまた結実するのも女子の醍醐味だな、とも思う。

早くコロナが落ち着いて、またみんなで集まって語り合いたい。

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鎌倉の海

あの山の向こうに彼女の豪邸が。

夫がいないときに呼んでくれるそう。待ってるよ。