『弟とアンドロイドと僕』。
推しの豊川悦司さんの作品なので、とにかく映画館で上映中に観ないと!
と、横浜みなとみらい20:40からのレイトショーへ。
阪本順治監督が「自分の分身」という主人公役に、豊川悦司さんを選んだという。
なにやら暗そうだし、辛そうだし、難しそう、、マニアックな映画なんだろうな、と思っていた。
が・・・
予想をはるかに裏切る面白さだった。
とても奇妙だけれどしんと心に響く、短編小説のような映画。
美しくて、悲惨で、そのくせ心地いいような世界。
豊川さんは、なんともかわいそうな大男。
そういう役がとてもよく似合う。
さすが、朋友・阪本監督だなあ。
世界観としては、アンドロイドものなので、「ブレードランナー」に近かった。(ずっと雨降ってるし)。
あの世界観が好きな人ははまるかも。
映画を撮る人は、作り物を動かす、人形に命を宿す、から、アンドロイドやフランケンシュタイン、人形ものなんかに惹かれるのかな。
そして、俳優は、違う人の魂を自分に込めるという点で、人形やアンドロイドに近いものなのかもしれない。
自分という存在のあやふやさ。
豊川悦司さんという俳優が元々持っている存在の不確かさのようなものと相まって、その孤独や苦悩は胸に迫るものがあった。
ああ・・・なんてかわいそうな大きな人・・・
映像はおとぎ話のように美しい。
不思議の国のアリスに出てくるみたいな、世界がぐにゃりと歪むトンネルも出てくる。
その辺はちょっとデヴィッド・リンチっぽかった。
もっとたくさんの人に観てもらいたい映画。
(映画館には2人しかいなかったのです)
映画館出たらこの風景。
寒くて誰もいなくて、まるでこの世にたったひとりっぽっちみたいな気分だった。
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