まるでシャボン日記

アラフィフぼっち女の悲喜こもごも

日曜美術館と浜田マハ

Eテレの「日曜美術館」が好きです。

主に、芸術家や芸術作品に関わる人たちのドキュメンタリーなのですが、日常にはない、研ぎ澄まされた美しい映像に、いつも感嘆しています。

 

映し出される、芸術家たちの集中した横顔。

それを静かな映像で見ていると、毎日あくせく過ごしているだけの私でも、生きていることの神秘や美しさに、気づくことができる気がします。

日曜日の朝、この番組は、教会の礼拝のような神聖な時間になっています。

 

そして最近、遅ればせながら、浜田マハさんの『楽園のカンヴァス』を読みました。

これは、巨匠・ルソーの「夢」という作品を巡る謎解き小説で、手に汗握る展開が、読む人を惹きつけて離さないエンタメ作品です。

ジャンルが何になるのかわからないのですが、

例えば、「ダヴィンチ・コード」のような作品かなと思います。

 

ネタバレになるので、ストーリーには触れませんが、この作品は、画家・ルソーやピカソ、画商、画家のモデル、そして、現代のキュレーターやコレクター、美術館員といった、美術に魅せられた人たちの「運命」についての本でした。

 

ルソーといえば、生前は日曜画家と言われることもあり、「変な絵」と蔑まれた画家だと言われていますが、この作品の中で描かれる、不遇の中でも命を削って作品を作り上げる姿、狂気ともとれる情熱に圧倒されました。

 

それは、「日曜美術館」にも感じる、なんで芸術家たちは、ここまで真剣にやるんだろう、どうしてそんなに絵を描かなければならないんだろう、という、凡人には計り知れない、呆れるほどの崇高さでした。

 

美術なんて自分にはわからない、と私なんかは思いますし、絵なんか見たって、だからなんなんだ、とも思います。

それでも、人は、日々ただ生きているだけではないということを、芸術を通して知ることができる気がするのです。

美術をみるということは、そういうチャンスをもらうことなのかな、と。

 

浜田マハ『楽園のカンヴァス』

素晴らしい作品でした!

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