原田ひ香さんの小説『三千円の使いかた』、面白かった!!
これはベストセラーになるのもわかります。
おばあちゃん、母、孫の三世代のお話で、女性には身近な家計や節約についてがテーマになっています。
結婚したばかりの孫は、夫の給料でやりくりをしている専業主婦で、ポイ活に家計簿と、節約雑誌に出てくるような模範的な節約マニア。
だけど、お金持ちと結婚する友人にモヤモヤしたりもする。
その母は、何もしない夫に仕えることに疲れて、熟年離婚も頭をよぎるけど、それにはお金が足りないことが判明して、夫となんとかやっていこう、言いたいことも言ってみようとしたり。
おばあちゃんは、1000万円ほど貯金はあるけれど、それでも老後の蓄えが十分ではないかもしれないと、仕事をしようと面接を受けにいったり。
そんなリアルな、普通すぎて今まで小説になったこともなかったような話です。
時々、ドラマの脇役で、節約主婦みたいなのは出てくるけれど、
節約や家計やりくりそのものをテーマにした小説なんて、ほとんどなかったのではないかと思う。
けど、節約って、家計管理って、生きることそのものだよなあ。
だって、お金をどう使うかって、人生のテーマそのものと言っても過言ではないし。
おばあちゃんのセリフで、
「生きるって決めたからの節約でしょう」
というのがあるんだけど、私はそれにグッときました。
そう。別に生きようとしなければ、一生懸命お金を節約して貯めて将来に備えようなんて思わないんですよね。
生きるんだって決めたから、生きようとするから、だからお金を大切に生かそうとするんだよな、と。
4000万円カジノでスってしまった人は、きっともう生きるのを諦めてるんじゃないだろうか。
生きることを放棄したから、使ってしまったんじゃないかとも思う。
小説の最後は、もう一人の孫娘の結婚の話なのだけど、これは私だったら・・・う〜ん・・・いや〜・・・すんごい悩むなあ、という話で、
これまた、どうなるんだろうとハラハラもさせられます。
それにしても、節約や家計管理、家計簿や鶏胸肉がこんなにドラマになるなんて!
女性はもちろん、世の夫たちにも読んでほしいな、と思いました。
激推しです!!
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