まるでシャボン日記

アラフィフぼっち女の悲喜こもごも

映画『ドライブ・マイ・カー』

映画『ドライブ・マイ・カー』を観た。

 

村上春樹『女のいない男たち』が原作だという作品。

小説はずいぶん前に読んだけれど内容は忘れてしまっていた。

ただ、とても好きな小説だった記憶がある。

タイトル通り、淋しい話だった気がする。

 

映画では西島秀俊さんが主演だと聞いて、

ちょっとイメージが違う気がして敬遠していた。

「すごくいいよ」と信頼できる知人が言ってくれなかったら、見逃していたかもしれない。

観てよかった。

 

とても淋しくて悲しくて辛い映画だった。

救いがあるわけでもなくて、ああ、やっぱり人生は悲しいことばかりなんだなあ、と思わされる映画だ。

けど、希望って、そんなに必要なんだっけ?とも思った。

希望なんかなくたって、これからいいことなんてなんにもないとしたって、

やっぱり人生は続いていって、私たちは、生きて、生きて、生きていくしかない。

 

個人的な話で言えば、離婚してから10年以上が経っても、私は一人のままだ。

よくお話では、辛い結婚をして離婚したけれど、またいい人と巡り合って幸せな結婚をする、なんていう展開があるけれど、私にはそれは訪れなかった。

あの時、離婚なんてしなければ、いつまでも幸せなふり、そう、ふりだけでもできたかもしれない。

なのに、なんであんなにあっさり手放してしまったのか。

大きなすれ違いがあっても、時間が解決したかもしれない。

もっと彼の苦悩を支えてあげることはできなかったのだろうか。

私はわがままで、いい奥さんじゃなかった。

結婚したのに、生活を変えなかった。

 

いまだに、というか、年々、後悔は大きくなっているような気さえする。

夫の方は、さっさと再婚したというのに。

 

とはいえ、未練があるというわけではない。

離婚してから、恋をしなかったわけでもない。

 

今の気持ちが「後悔」なのか、それも実のところわからない。

理想と違った人生を嘆いている、ということかもしれない。

 

ただ、もうあまり「希望」はないような気がする。

これから素晴らしいことが起きるとは思えない。

よくいうけれど、もう坂を登り切って、これからは下っていく年齢なのだと思う。

 

けれど、だからといって人生を放棄してはいない。

下るのは初めての経験だ。

それをしっかり受け止めて、下っていく自分に優しくしながら、やっぱり生きて、生きて、生きていくしかないんだと思う。

 

そんな風に映画館の帰り道に思った。

そういう映画だった。

 

濱口竜介監督の作品『寝ても覚めても』もすごかった。

プライムビデオで観られます。

 

 

 

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